【小学生には難しい】英検4級のレベルは?4度目で合格した小2娘の対策公開

英検4級は中学2年生レベル。
小学生でも合格を目指せるが、対策必須。ポイントはリーディングに力を入れること。
文法問題や長文読解攻略には、英検対策レッスンや問題集での学習が必要。
英検4級合格には対策が欠かせません。
私の娘は、小学1年生で英検5級に1発で合格してから、英検4級になかなか合格できませんでした。
3度の不合格を経て、問題の分析・対策をしてやっと合格しています。
この記事では、わが家の経験を元に、英検4級について以下の点を解説します。
最後まで読めば、英検4級の合格への糸口が見つかります。。
小学生の登竜門!英検4級のレベルと概要

英検5級は合格できても、4級で不合格になる子は多くいます。
主な原因は、必要な語彙が一気に増えることです。
まずは英検4級について知ることで、試験までに必要なことが見えてきます。
英検4級の概要
英検4級は「実際に使える英語」を意識して作られています。テーマが身近なものなので、英検4級の学習は私生活でも役立ちます。
〈英検4級の試験内容〉
- 筆記(リーディング):35問/35分
- リスニング:/30問/30分
- 必要単語数:約1,300語
- 出題トピック:学校や家庭、店舗・公共施設、電話、アナウンス
合格率は69.9%!合格点の最低ラインは62%
2016年以降、合格率や最低合格点は英検公式で発表されていません。
2015年時点の英検4級合格率は69.9%、合格に必要な最低点は62%でした。
必要最低点については私の10年以上の英語教師経験から現在の目安を示します。
- 英検4級で合格できるボーダーライン(目安)
- 39問正解/全65問中
※ただし、リスニングもリーディングも
40%を上回っていることが必要。
このラインぎりぎりの子が10人いたら、5人は受かるような印象です。
2016年以降の合格率や最低点が発表されていない理由は、採点方式に「英検CSEスコア」が導入されたからです。
英検CSEスコアって一体何?
「英検CSEスコア」は、ユニバーサルなスコア尺度を英検で取り入れたもの。
簡単に言うと、こんな感じです。
- リーディングとリスニングのバランスも合否判定に入るよ
- 受験回によって難易度が変わると不公平だから、平均点との差も加味するよ
- CSEの点数を見ると、「TOEICだったら何点取れそうか」もわかるよ
したがって、「何問正解すれば合格か」は場合によって変わってきます。
英検4級のレベル
英検4級の英語力は中学2年生レベルです。語彙も文法も、英検5級と比べて一気に難しくなります。
単語のレベル
英検4級に必要な語彙数は約1,300語。5級の600語と比べると2倍以上です。
英検4級の単語例
・minute(分) ・bring(持ってくる)
・during(~の間) ・bought(買った)
・interested(興味ある) ・other(他の)
・ask(質問する) ・necessary(必要な)
わかりやすいものや動きだけでなく、抽象的な表現が増えているのがポイント。

単語を読んで意味がわかるレベルが求められます
文法・表現のレベル
出題される文法もやっかいです。
- 過去形の不規則変化
(go-went-gone 等) - 比較・最上級の変化
(big-bigger-biggest 等) - 助動詞
(will, must, could, would 等)
文法 | ・過去 ・未来 ・比較 ・命令 ・否定 ・疑問 |
場面 | ・家庭 ・学校 ・店舗 ・電話 ・アナウンス ・公共施設 |
テーマ | ・家族 ・友達 ・学校 ・趣味 ・旅行 ・天気 ・スポーツ ・自己紹介 ・映画 ・音楽 ・食事 ・近況報告 ・自己紹介 ・海外の文化 ・買い物 ・道案内 ・休日の予定 |
テーマは多いですが、場面設定が具体的なのでイメージしやすい問題が多いです。
英検4級の問題を徹底分析

英検4級には、リーディングで4つ、リスニングで3つの大問があります。
出題の特徴を把握し、効率的な学習をしましょう。
リーディング35問中16問(46%)、
リスニング30問中25問(83%)を目指します。
リーディング問題の内容と分析
英検4級のリーディング問題は35分で35問で、すべて4択問題です。
5級との最大の違いは、長文読解問題が出ること。
リーディングの大問
- 大問1 語句補充(単熟語・文法)
危険度2:★★☆☆☆ 15問 - 大問2 対話文の短文補充
危険度3:★★★☆☆ 5問 - 大問3 並び替え問題
危険度4:★★★★☆ 5問 - 大問4 長文読解
危険度5:★★★★★ 10問
並び替え問題と長文読解は一筋縄には行きません。しかも、長文読解が多めで10問出題です。問題の漢字には読み仮名が振ってあるので、低学年でも安心です。
大問1 語句補充(単熟語・文法)
文の空欄に適する語句を選ぶ問題です。リーディング問題でもっとも易しく、問題数が多いので、ここで稼いでおかないと厳しいです。
【語句補充の問題例】
John visited Tokyo ( ) the first time, and he ate sushi there.
1 at 2 on 3 for 4 by
答えは3番で「for the first time(初めて)」。
大問1は語彙力勝負です。ひっかけ問題もないので、語彙力さえあれば正解できます。
【危険度2:★★☆☆☆】
全15問です。9問以上とっておくと、あとが楽。
15問中10問前後は単語の意味がわかれば正解できますが、難しい語が多いです。
約5問は前置詞や副詞、熟語の問題なので、慣れが必要です。
大問2 対話文の短文補充
英検5級では、相手の質問の意味さえわかれば正解を選べました。しかし、英検4級では、相手の質問に素直に答える問題はほぼ出ません。
前後の文を理解し、状況を把握する必要があります。
【対話文の短文補充の問題例】
Woman: Excuse me. How can
I get to the station?
Girl: ( ) There are two
stations near here.
1 Just go strait to that bank.
2 I will take you there.
3 How can I get there?
4 Which one?
答えは4番。
「駅にはどう行けばよいですか?」に対して、「どの駅ですか?近くに駅が2つあります」という返しです。
【危険度3:★★★☆☆】
大問2は5問。最低2つ正解を目指します。
- ランチは何が食べたい?
→今、お腹いっぱいなんだ。 - このゲーム一緒にやらない?
→うーん、難しそうだなぁ。
というような返答が多く、「何が好き?→これが好き!」のような直球な答えは少ないです。会話の流れを理解する力が必要です。
大問3 並び替え問題
日本語の例文にあうように、語句を並びかえて文を作ります。
【並び替え問題の例】
あなたのカードを見てもよいですか。
(①your ②may ③card ④I ⑤see)
( )(2番目)( )(4番目)( )?
1④-③ 2 ②-③ 3 ④-① 4 ③-①
May I see your card, please?
で、答えは3番ですね。
【危険度4:★★★★☆】
表現を知ってるか知ってないかで決まる問題です。
- between □□ and △△
(□□と△△の間) - not~at all
(まったく~ではない) - be good at 〇〇ing
(〇〇が得意)
などの熟語は当たり前のように出てきます。難しい問題ですが、5問中2問は当てたいです。
大問4 長文読解
英検4級の最難関問題です。
しかも、10問もあります。
長文は以下のパターンで3つ出題されます。
- 【長文A】掲示 or 案内文(設問は2問)
- お祭り、キャンプ、ミュージックイベント、アルバイトの募集、お料理教室、といった行事のお知らせ文です。文は難しいですが、「いつ?」「どこで?」「いくら?」「持ち物は?」程度の質問なので、部分的な理解でも点数が取れます。
- 【長文B】メール文(設問は3問)
- 往復分、2通のメールを読み解きます。メールの頭に必ず、〈送った人・宛先・送った日・タイトル〉があることをお子さんに確認してあげてください。とくにタイトルは大きなヒントです。設問3つ中の1つ目は確実に1通目のメール文に答えがあります。
- 【長文C】物語文(設問は5問)
- 3~4段落で構成される物語文です。ほとんどの場合、ある登場人物の体験談。設問は本文の流れに沿って出題されるため、1問目の答えは本文の上の方に、5問目の答えは下の方に書いてある。問題に慣れると、文章全体を理解しなくても意外と点数が取れる。
練習を続けると、パターンがわかってきます。
よほど多読の練習を積んでいない限り、長文問題は対策しないと解けません。
【危険度5:★★★★★】
最難関問題。必ず問題文と選択肢から読むこと。
本質的ではないけれど、文章を読む練習ではなく、問題文にある語句を本文から見つける練習で10問中4問正解を目指しましょう。
小学校低学年なら、段落で場面が変わるという文章のルールを教えておくこと。
リスニング問題の内容と分析
リスニング問題は30分で30問出題されます。第1部~3部まであり、すべて選択問題です。放送は2回繰り返されます。
リスニングの大問
- 第1部 会話の応答文選択(イラストあり)
危険度2:★★☆☆☆ 10問 - 第2部 対話文の聞き取り
危険度3:★★★☆☆ 10問 - 第3部 文章の聞き取り
危険度3:★★★☆☆ 10問
英検5級では単語が聴き取れれば正解できました。しかし、英検4級では、会話の状況が理解できないと得点できません。

「リスニングは大丈夫」と油断は禁物
第1部 会話の応答文選択(イラストあり)
会話の流れに対する返答を、読み上げられた3つの中から選びます。英検4級のリスニングで唯一イラスト補助がある問題です。
【会話の応答文選択の問題例】

(※音声)
子:I want to have some cake.
母:That’s good idea.
子:Is there a cake shop around here?
(※音声)
1 That sounds like fun.
2 There is one by the park.
3 I bought a lot.
答えは2番です。
ほとんどの問題は、最後に相手が言った質問さえ聴ければ正解できます。話の流れを理解しないと解けない問題が毎回3~4問出ます。
【危険度2:★★☆☆☆】
難易度は高くないですが、10問中9問以上の正解がほしい。
音声を聴く前に、イラストから情報を得る練習をしましょう。「2人は何してる?」「表情や様子は?」「場所は?」辺りを押さえるだけで、正解率がグッ上がります。
第2部 対話文の聞き取り
リスニングという名のリーディング問題です。内容を聴き取ることよりも、選択肢の英文を素早く読むのが難しい。
2人の会話を聴いた後に質問されます。
【対話文の聞き取りの問題例】
(※音声)
★: Do you know Ken’s phone number?
☆: Yes. Why?
★: I want to play tennis with him.
☆: Sounds nice.
Question: What does the boy want to do?
(選択肢は問題用紙に書かれている)
1 Play tennis.
2 Send a present.
3 Watch movie.
4 Study science.
正解は2番です。
親子や友だち、店舗での会話が多く出題されています。
【危険度3:★★★☆☆】
リーディングを早めに終えたら、この問題の選択肢を先に読んでおくのが王道です。会話自体は決して難しくないですが、10問中8問は正解したいことを踏まえても気が抜けない問題です。
第3部 文章の聞き取り
物語や説明文にあう内容を、4つ英文から選びます。
「第2部 対話文の聞き取り」の対話じゃないバージョンです。結局、選択肢のリーディング問題です。
【文章の聞き取りの問題例】
(※音声)
☆We learned a lot about Japanese
culture today. In the next class,
you’ll have a speech . So write
about your favorite Japanese
culture at home today.
★Question. What is the woman
talking about?
(選択肢は問題用紙に書かれている)
1 Her holiday.
2 Today’s homework.
3 Japanese culture.
4 Her hobby.
正解は2番です。
会話ではなく、スピーチやナレーション形式なので、英会話中心ので学習している子は慣れが必要。
【危険度3:★★★☆☆】
内容の部分的な理解では正解できません。全体を把握したうえで、選択肢を時間内に読み取る力が求められます。音声が流れる前に選択肢を読んで、内容を予想する練習をしましょう。難しいですが、10問中8問以上の正解がボーダーライン。
英検4級が小学生にとって難しい理由3選

英検4級でつまずく小学生が多い理由ははっきりしています。
うちの小2娘は英検5級を難なくクリアしたので、英検4級も対策なしで挑戦しましたが、不合格が続きました。
会話では出にくい表現に弱い
英検4級では出題される内容は、1対1のやりとりだけではありません。状況を把握して答えたり、メールや手紙の内容を読み取って答えたりする必要があります。
文法のレベルも高いため、問題集を通した練習や英検対策レッスンの受講など、英検4級の練習が必要です。
具体的な対策については、この記事内の英検4級対策でオススメしている「英検4級をひとつひとつわかりやすく。」やオンライン英会話の英検対策レッスンを参考にしてください。

日頃の英会話だけで突破できる英検5級とは違います
抽象的な単語が出てくる
英検4級突破には、抽象的な意味の単語を身につける必要があります。
「flower(花)」や「like(好き)」などはイメージしやすく、覚えやすい単語です。
しかし、「during(~の間)」や「other(他の)」などの抽象的な単語はイメージしにくいため、覚えづらいです。
子どもが抽象的な単語を覚えるには、例文をたくさん提示するのが効果的です。
単語を一つひとつ暗記するより「こんな場面では、こんな意味で出てきた」という例がたくさん与えることが定着の最短距離です。
次に解説する「多読」も、抽象的な単語対策に繋がります。
多読が足りてない
英検4級に必要な読解力・語彙力を身につけるために、英語を読む量が圧倒的に足りていない子がほとんどです。
英検4級をスムーズに合格した子は共通して、普段からリーディング練習を重点的に行っています。
まとまった文を普段から読むことに慣れていないのに、英検の長文読解ができるわけがありません。
多読は英検対策だけでなく、英語の素地を身につけるのに効果があります。
多読の効果 | ◆英語脳→リスニング力 ◆語彙力アップ ◆読解力アップ ◆速読 |
読むべき本 | ◆英語の絵本 ◆レベルのあった本 興味のあるジャンル |
多読で語彙力や読解力だけでなく、リスニングやスピーキング力アップも期待できます。

親のフォローが必要ですが、多読の効果は絶大です
英語多読には、イギリスの小学校で教科書として採用されている絵本・Oxford Reading Treeがおすすめ。徐々に難しくなるし、内容自体もおもしろいです。
小学生の向け英検4級対策5選

英検4級合格に近づく具体的対策を紹介します。
すべて、わが子も実践した内容で効果を実感したものです。
単語を覚える練習
覚えた単語数に比例して正答率が上がります。高校や大学入試の英語でも言えることです。
英検4級にでてくる単語は「ぷりんと保管庫」から、無料でダウンロードできます。また、「まなび365」は英検4級の単語をランダム出題してくれる便利なサイトです。
単語はがっつり勉強するのではなく、無料教材を使って親子でクイズ形式で練習してください。

ガチガチな暗記練習はやめておきましょう
英検4級レベルの英語絵本を読む
英検4級に挑戦できるレベルになったら、英語の多読は必須です。
興味のあるジャンルで子どものやる気を保ちつつ、レベルにあった英語の絵本を選びましょう。
寝る前に読んであげるのもいいですね。英語の勉強が親子の時間になります。
以下、おすすめの多読教材です。
- どんな絵本を買ったらいいの?
- イギリスの小学校の教科書として採用されているOxford Reading Treeを読めるアプリ・「Oxford Reading Club」を試してください。
無料版でも6冊の本が読めます(6冊以上は有料)。さまざまな本を読むよりも、気に入った本を何度も読む方が力になります。 - 無料で多読練習したい!
- 子ども専門オンライン英会話・Global Step Academyでは、絵本が借りられるデジタルライブラリーの利用ができます。
なんと、有料会員じゃなくても使えるという大盤振る舞いです。デジタルライブラリーの絵本は、難易度ごとに探すこともできるのでオススメ。
「英検4級をひとつひとつわかりやすく。」で問題演習
たくさんある英検問題集の中で、頭一つ抜けているのは「英検をひとつひとつわかりやすく。」シリーズです。